ロータス・エランSE(91'y)
SPECIFICATIONS 
(データ:ネコパブ ワールドカー・ガイド8 ロータスより)
全長×全幅×全高(mm)
ホールベース(mm)   
トレッド前/後(mm)    
車両重量(kg)       
3803×1734×1230
2250
1486/1486
1020
エンジン型式        

エンジンマウント・駆動  
総排気量(cc)      
最大出力(PS/rpm)   
最大トルク(kgm/rpm)  
トランスミッション     
4XE1型水冷直列4気筒DOHC16V
インタークーラー付きターボ
フロント/フロントドライブ
1588
165/6600
20.4/4200
5速マニュアル
前ホイール・タイヤ     
後ホイール・タイヤ     
サスペンション(前)    

サスペンション(後)    
ブレーキシステム/前/後
 
15インチ 205/50ZR15
同上
ダブル・ウィッシュボーン+コイル/スタビライザー
同上
ベンチレーテッド・ディスク/ソリッドディスク
エクステリア
 ピーター・スティーブンス・デザインのベイビー・ロータスです。その異常な縦横比による極めてスクエアなボデイ形状が話題になりますが、そのデザインは異端というより、むしろ上品な気品すら感じさせます。特に幌の納まるトノカバーからリアエンドにかけて流れるようなすっきりとしたデザインは秀逸。このバックスタイルはオープンカーの醍醐味ですね。
 サイドから眺めるとこの車の美しさがよりよく理解できます。エンジンが納まっているとは到底思えない低いフロントフードから一直線にFガラスに向けてのラインが走ります。そしてコックピットからリアエンドにかけてはなだらかに盛り上がるウェッジシェイプラインが続きます続きます。コンパクト&シンプルなラインです。
 ウエスト部分に目をやると、Fフェンダーからドアにかけて絞り込まれ、またRフェンダーに向かってフレアしていきます。ドアミラーにはRフェンダーのきれいなふくらみが映り、何やらすごい車を運転しているのだなという気分にさせてくれます。4灯リトラクタブル・ヘッドライトと共に、リトル・オープン・スーパーカーというたたずまいがたまりません。
インテリア
 オープンカーではインテリアもエクステリアの一部。しかし、正直M100エランのインテリアは心躍るものではありません。エスプリに見られる高級手作り感あふれる魅惑の空間ではなく、ホット・ハッチ風の量産車的デザイン&質感です。大量生産をもくろんだ車ですので、ある意味正しいアプローチだったのかもしれません。
 特筆すべきは、太いバックボーン・フレームがコックピットセンターに走る割には、閉塞感が全くない点です。センタートンネルが低く、というより相対的にシート位置が高く設定され、エスプリやヨーロッパのような運転席と助手席が二分される印象はなく、全く普通の車のような趣です。使いやすいにこしたことはない、ここがエスプリ以前のロータス車とは全く違うユーザー層を意識したエランデザインの面目躍如です。
 インテリアに関しては、ステアリング&シートが上質なS2モデルの方が魅力倍増です。赤ストライプのこのシート、デザインセンスもさることながら、革のたるみが気になります。この年代のロータスは、エスプリSEもそうですが、なんでこんなにたるみやすいシートにしたのでしょうか?低走行車でも目立ってしまうんですよね。
エンジン
 いすゞ製の4XE1エンジンです。カムカバーにはいすゞーロータスの文字が。雑誌等では個性のないエンジンのように言われていますが、このコンパクトないすゞエンジンがなければ、M100は成立しなかったでしょう。コンパクトなエンジンが、M100のスタイリングや走りに多大な影響を与えた事は実車を見ればすぐに理解できます。自分はFFピアッツァも乗っていたので、このエンジンの素直な特性にはかなり好印象をもっています。
 また、GMグループの持ち駒から使えるエンジンを選んだかのような印象を持たれていますが、実際にはロータスがエンジン開発にも助言したそうです。M100開発中の最新エンジンではなく、M100デビュー時に最新のエンジンを使えたという意味でも、ロータスにとってこのいすゞエンジンを積極採用する大きなメリットがあったことでしょう。スペック的には平凡かもしれませんが、1t弱のボディーには十分すぎる力を与えてくれます。パワー云々というより、低回転からの使いやすさが光るユニットで、この車のキャラクターにピッタリです。

総評
 今までのロータスに無いユーザーフレンドリーな明るいロータスです。抜群の乗り心地は、まさにロータスライド!日本製エンジンの信頼感にも後押しされ、長距離を疲れ知らずで一気に走破!観光地に付いたらさっそく幌をたたんで爽快なオープンドライブを満喫・・・。そんな気楽でおしゃれな使い方が似合う新世代のロータスです。
 またピーター・スティーブンスの愛くるしいスタイリングは、攻撃的な性格というより愛くるしく可愛い佇まいを示します。ボディーにワックスをかけてもあっという間に作業が終わるほど、車体はコンパクト。取り回しの良さ、燃費の良さ、手入れのしやすさ、本当に車趣味のよき相棒となってくれる車と言えそうです。
 ロータスはハンドリング命!というガチガチの強迫観念に縛られない、自由でかわいいロータス車だと思います。
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