ロータス・エスプリ・スポーツ300(94'y  シリアルナンバー031)
SPECIFICATIONS (データ:アトランティック商事カタログより)
全長×全幅×全高(mm)
ホールベース(mm)   
トレッド前/後(mm)    
車両重量(kg)       
4,340×1,920×1,170
2,420
1,535/1,595
1,270
エンジン型式        

エンジンマウント・駆動  
総排気量(cc)      
最大出力(PS/rpm)   
最大トルク(kgm/rpm)  
トランスミッション     
ロータスLP水冷直列4気筒DOHC16V
インタークーラー付ターボチャージ
ミドシップ/リアホイール駆動
2,169
300/6,400(DIN)
38.4/4,400(DIN)
5速マニュアル
前ホイール・タイヤ     
後ホイール・タイヤ     
サスペンション(前)    

サスペンション(後)    

ブレーキシステム/前/後
 
8.5J×16   245/45ZR16
10.5J×17  P315/35ZR17
ダブルウイッシュボーン(アンチロールバー)
コイルスプリング
ラジアスアーム(トランスバースリンク)
コイルスプリング
3チャンネルABS
/ベンチレーティッドディスク
/ベンチレーティッドディスク
エクステリア
 角ばった前後バンパーなど、SEまでのニューシェイプ前期の特徴を色濃く残します。しかし、SEのチューンナップ版ではありません。ショートホイールベース強化シャーシ採用、電装系改良、パワステ装着等々、S4以降のモデルのベースとなる車です。中身は新世代なんです!
 エクステリア最大の特徴&魅力は前後オーバーフェンダーとOZホイール+扁平極太タイヤの迫力あるルックスです。大きなリアウイングとワイドなフロントスポイラーもこれに拍車をかけます。この大迫力が好きな人にとっては、この上ない魅力でしょう。逆にエスプリ本来の清楚なラインが・・・という意見があるのも確かです。しかし、そこはさすがロータス。マッチョな外観に仕立て上げても、上品さが感じられるのは自分だけでしょうか?
インテリア
 室内全部にアルカンタラ・スウェードをはりめぐらした室内はレーシー&豪華です。レギュラーモデルでは布張りのAピラー、天貼りまでアルカンタラをしきつめ、ロータスのこの車にかける並々ならぬ決意を感じます。300ならではのバケットシート、大型スピード&タコメーター、B・Cアルミペダルもポイントです。そうそう、大型アルミフットレストは走り屋にとって必需品のうれしい装備です。
 しかし、この豪華な内装は見せかけで、その造りは本気モードです。フロアマットをめくればその下はFRPの地肌がむき出し・・・、バケットシートは本体に座布団より粗末なクッションを貼っただけ・・・、重宝していたセンタートンネル背後の物入れも撤去・・・。300でも極前期型はドアパネルもペラペラだったとか。とにかく、レギュラーモデルの大人のための上質空間を知っている人にとっては、驚くほどの割りきりです。
 ライトや空調関係、基本的なメーター回りなどはレギュラーモデルと大差ないので、エスプリ経験者にはすぐ扱える操作環境にあります。
 自分のお気に入りは、バックスキンのパーソナルのステアリング。細身で華奢で、なんか80〜90年代F1の雰囲気を醸し出してくれます。
エンジン
 「2.2L直4ターボで,、300PSオーバー!」
 ことさら馬力のみ強調されるエンジンですが、あらゆる意味で性格が違います。まず、乗ってすぐさま軽量フライホイールのフィーリングに感動する事でしょう。エンジンの回転数の上下が速い!(クラッチミートは難しいですが・・・)そしてずいぶんと低速トルクの線が細い!S4の方が俄然乗りやすいです。逆にターボゾーンに入ってからの突き抜け方がすさまじい。まさに一点に向けてダッシュしていく・・・という感じです。後述しますが、固めた足回りでポンポン跳ねる乗り味と重ねて、かなり乗りこなし方が難しいエンジンです。馬力そのものは300と言わず、軽量シャーシと相まって300PSオーバーを軽く感じさせるエンジンです。
インプレッション
 「さすがスペシャルモデル!有無を言わさず速い!」・・・・・と言いたいところですが、初めての方ならレギュラーモデルの方が絶対速く乗りこなせます。1.5〜2倍の相場価格ほどの速さはありません。ステージと天候によっては、S4などの方がずいぶん速いかもしれません。
 まず難しい部分から言うと、モンロー製のダンパーなど固めた足、1200kg台の車重の影響か、峠ではちょっとした凹凸で激しく跳びます。S4では楽にアクセルオンできたギャップが怖くて踏めません!滑り出しは分かりやすいのですが、アクセルオンで常にリアがスライドしたがります。こういったモデルの特性を把握するまでにけっこう時間がかかりました。
 次に非常に素晴らしい点ですが、乗り込んですぐ車体が小さく感じられます。タイトなコーナーの切り返しなど、実にクイック。ブレーキの安心感は通常モデルと格段の違いです。またそれ以上に素晴らしいのが高速の安定性。大きなフロントリップとリアスポイラーの空力的役割はスピードメーターの値に比例して実感できます。低速よし、高速よし。難しい相反する条件を楽々クリアしています。最大の魅力は中速コーナー。踏めば踏むほど内側に切れ込んで安定して曲がって行きます。ややスライドしている感覚を味わいながらコーナーを脱出する時、300にしてよかった!と実感します。
総評
 300は疲れます。1時間以上乗ると体にキます。ダイレクトに伝わる振動・騒音、固い乗り心地・・・。そしてヤるかヤられるか的な緊張感あふれる運転感覚・・・。本気でトバした時しか、その感動を味わえない、そんな味わいのスイートスポットが狭い車なのかもしれません。そういった意味では、エスプリ本来の魅力は、たっぷりとした革シートに包まれて、快適にロータスライドを感じさせてくれるレギュラーモデルや、S4sなどの方が存分に味わえるのかもしれません。
 300はスプリンターです。その短い時間に車と一体になる事が出来ます。大げさでなく、時を超える感覚があります。車も人間も集中力を必要とするのかもしれません。
 ですが、最近意外な魅力を発見。ブーストコントローラー付きの個体です。ブーコンをジウジターボ並みの0.5にセットすると、車体の軽さを感じながら、どこでもフルスロットルをくれることができ、誠に気持ちいい!車が軽く小さく感じられ、本当にコントローラブルです。300の魅力をオーナー自身、実はまだまだ全部分かっていないのかもしれません。歴史的魅力もさもありなん。しかし、それを抜きにしても、乗ってみて奥が深い・・・。そんな長く付き合えそうな車なのです。

スポーツ300の整備記録へGO!!



85'yジウジアーロターボの紹介へ


94’yエスプリS4の紹介へ

愛車紹介トップに戻る。


車歴ページに戻る


トップページに戻る

inserted by FC2 system